2015年7月5日(日曜日)
【東京都】 浅草
ドヤのすき間から覗く空には、スカイツリーが天を突いている。
東京の西側は新宿、渋谷、品川、池袋などのオシャレな大都市が密集しているけど、こうした西東京のしかも下町のど真ん中にスカイツリーみたいな発展の象徴がそびえているのがどこか異様に見える。
今日の曇天の空のおかけでさらに不気味だ。
裏路地をブラブラ歩くこと1時間ほど。
増えてきた人通りの中に、外国人さんの姿が混じり始める。
大きなバッグを背負ったバッグパッカーもいる。
浅草に入った。
浅草寺の裏手になるこの辺りは、東京観光の拠点として外国人さんが宿をとる定番スポット。
カオサンジャパンという超有名ゲストハウスをはじめ、たくさんの安宿がある。
入り組んだ路地に小さくて個性的な飲み屋がたくさん散らばっているので、本当の浅草を見たいのならこの辺りで遊ぶのがいいんだろうけど、最近では外国人さん向けの派手なお店も多いようだ。
浅草ってこんなに観光地観光地してたっけか。
歩いているとなかなかにアグレッシブな客引きの人たちが威勢よく声をかけてくる。
欧米人観光客、アジア人観光客、そしてもちろん国内の日本人観光客たちがわんさか歩いている。
知り合いのお店に顔を出してみたけど、今日は休みみたいで違う店員さんがいただけだった。
懐かしいな。
まだ21歳くらいの頃、日本一周の中で初めて浅草に来て、三社祭を見て、隅田川花火を見て、暖簾屋の女の人にちょっと恋をして………
まだ東京をほとんど知らなかった田舎者にとって、浅草はそれなりに刺激的な遊び場だったな。
観光客に混じって揚げ饅頭を買い、かじりながら仲見世を歩いた。
中野に戻り、生粋の江戸っ子である友人のマッピーさんと合流。
本当は浅草が地元であるマッピーさんなんだけど、仕事で中野に来てきたのでこっちで飲むことにした。
東京マスターのマッピーさんが連れていってくれたのは路地裏にあるボロボロのジンギスカン屋さんだった。
各方面のアーティストと謎の人脈を持つ謎の男マッピーさん。
ライブには漫画家の平松伸二先生と一緒に来てくれていた。
東京でこうしていきなり飲みませんか?って連絡して一緒にお酒を飲んでくれる人ができていること。
あの頃浅草をブラブラしてた20歳そこそこのころに、そんなシチュエーションに憧れていたよな。
行きつけのお店があって、仲間がいて、気負わずに東京で遊んでいる、そんな風景。
田舎者からしたら東京で暮らしていたっていうだけで羨望の眼差しだもんな。
日本人がニューヨーク帰りの人にそうするように。
今となってはどうでもいいことだけど。
宿の近くのラーメン屋さん。
煮干し醤油。
美味しい。
東京はまだまだディープだな。