2015年2月24日(火曜日)
【愛知県】 岡崎市 ~ 【静岡県】 浜松市
久しぶりの野宿だったのであんまり眠れなかった。
日本なので治安はいいはず。でもたまに起きるイカれた凶悪な事件が頭に浮かんでどうも寝つけない。
病んだやつにいきなりナイフでメッタ刺しにされないだろうか?
ヤンキーたちにフクロにされないだろうか?
そんなことを考えながらウトウトしていた。
目がさめるとそこは豊橋のお城公園。
お城公園はだいたいどこの町にもあるし、広くて綺麗に整備されているので野宿にはうってつけだ。
ササッと荷物をまとめ、水場で身だしなみを整えてから街に向かった。
今日もまた人と会う約束をしているので、急いで駅から名鉄電車に乗りこんだ。
名鉄電車とか間違いなく人生初の路線にゆられながらやってきたのは、これまた人生で間違いなく降りることのない駅、名電山中。
謎の田舎駅。
あ、あれ?俺間違えたかな?
って思うくらい何もない。
駅の横を歩いて行くと国道1号線に出て、地図を頼りに半信半疑で歩いて行くと………
あったあった、これが名古屋の長谷川社長にご紹介いただいたケーキ屋さん、マジカルだ。
静岡方面に向かっていきますと話した時に、それなら岡崎にマジカルというお店があるから尾崎社長のところに寄ってみるといいよ長谷川さんが言ってくださっていたのだが、もはや何話せばいいんだろ?
植松さんのご紹介の長谷川さんのご紹介のマジカル尾崎社長。
もう伝言ゲームみたいにどんどん話が変わっていってるんじゃなかろうか?
しかしドキドキしていたらまた長谷川さんの時みたいになってしまう。
思い切ってお店のドアを開け………
な、なんだこの変な……いや、個性的なキャラクターは………
オカザエモン……?
お、尾崎社長、かなりのセンスをした方だな………
喫茶コーナーで美味しいコーヒーを飲んでいると、尾崎社長が忙しそうにやってきた。
シェフ服を着たなんとも柔らかい雰囲気の方だった。
「あ、僕のこと謎ですよね……いきなりこんなやつが行くって言われても……」
「う、うん、正直かなり謎だったよね……でも長谷川さんの紹介だし変な人ではないと思ってたよ。」
自己紹介させてもらい、少しだけお話しさせていただいた。
尾崎社長のマジカルの名物は、岡崎純情プリンという商品。
これがただのプリンではなく、岡崎市が八丁味噌の産地ということもあって、カラメルの部分に八丁味噌が使われているのだ。
味噌!?って思ってしまうけど、実際食べさせていただいたら味噌のフレイバーと塩味が甘いカスタードにすごく良く合う。
岡崎名物としてずっと人気を博しているようだ。
ちなみにさっきのセンスがほとばしるオカザエモンは尾崎社長が産み落としたものではなく、岡崎市のゆるキャラらしいです。
そこそこゆるキャラランキングとか上位らしいです。
こんな謎の流れ者だというのに、わざわざ近くの道の駅まで送ってくださった尾崎社長。
お忙しいところなのに恐縮にもほどがある。
尾崎社長は22歳とか23歳の時にマジカルを創業して、28年もの間、岡崎の人たちをはじめ全国の人々に親しまれているお店だった。
きっと岡崎ガールのナオちゃんに言ったら、純情プリンなめんなじゃんからりんー!!とか言うんだろうな。
そんな尾崎社長にして、長谷川さんは名古屋のお菓子界のドン、なのだそう。
ああ、そんな方に失礼極まりないことをしでかしたことが悔やまれる。
今度こそちゃんと尾崎社長に名刺代わりのCDをお渡しした。
そして今度長谷川さんにお会いした時に渡していただけませんか?と2枚預かっていただいた。
東海道五十三次のひとつ、藤川の宿場町の横にある道の駅に到着し、尾崎社長を見送った。
尾崎社長、お仕事中に本当にありがとうございました。
と、その時、尾崎社長が懐に手を入れ、何かを取り出して僕の手に掴ませた。
お金だった。
「だ、ダメです!!僕なんにもしてないのに!!」
「気にしないで、長谷川さんみたいに焼き肉ご馳走してあげる時間がなくてごめんね。じゃあ頑張ばって!!」
そして爽やかな笑顔を残して走り去っていった。
尾崎社長……………
オカザエモンをデザインした張本人とかほんの一瞬でも疑って申し訳ありませんでした……………
恐縮にもほどがある。ただフラッとやってきただけなのに。これじゃ裸の大将の、オニギリちょうだい並みのカツアゲみたいだ………
長谷川さんも言っていた。
ビッグになってくれることが恩返しだよって。
必ずなってやる。
そして長谷川さんのモンブランと尾崎社長のとこのオカザエモンクッキーを1万個買う!!!
もちろん植松さんのマダムヨーコも!!!
ケーキ屋さんに足向けて眠れない!!!
それから今日の目的地、浜松までのヒッチハイクを開始。
国道1号線はみんなブンブン走っているのでなかなか止まってもらえず、場所を変えながら2時間半も待ち続けた。
うーん、浜松までたった1時間半の距離なんだけどなぁ。
ようやく乗せてもらえたのは豊橋まで行くお兄さんの車。
スロットは北斗の拳がアツい、ハナハナが当たりを読みやすい、などのパチンコ話を聞かせてくれた。
「スロットは目押しができます。ただ合わせるんじゃなくて4つ滑りを計算してタイミングを計って、状況に合わせてわざと滑りで外して当たりがうんたらかんたら………」
1ミリもわからん。
豊橋まではあっという間に着いたんだけど、街の真ん中に降ろしてもらったので、また郊外まで出るのが大変なので、ここからは電車で行くことにした。
そしてお兄さんに面白い情報を聞くことができた。
スロットは大勝ちしたら20万円くらいイケるということではなく、豊橋にはとあるご当地グルメがあるということ。
なんだと思います?豊橋のご当地グルメ。
まったくなんの情報もイメージもわかないです。
なんと、カレーうどんなんです。
じ、地味!!?
しかしこれがただのカレーうどんではなかった。
朝からプリンしか食べてなかったので、お腹を空かせてやってきたのは、豊橋駅から少し歩いたところにある老舗オーラを漂わす勢川本店といううどん屋さん。
ラーメンやらトンカツとかいろいろある大衆食堂といった雰囲気。
というわけでカツ丼を……………
嘘です。ちゃんとカレーうどんを注文しました。
一見なんの変哲もないカレーうどん。味も確かに出汁のきいた美味しいものだ。
しかし食べ進めるうちに異変に気付く。
丼の底に米がありよる。
うどんと米という豚一直線の炭水化物メニューとなっております。豊橋カレーうどん。
んんん………意表を突かれた。
初めての遭遇だ。
豊橋カレーうどんの作り方は、まず丼の底に米、そこにトロロをかける。さらにうどんを乗せてカレーをぶちまける。
かなりボリューミーです。
値段はそこそこします。どこのお店も高くて、相場で900円てとこですね。
話のネタに一度いかがですか?
僕はもういいかな。もともとカレーうどんそんなに好きじゃないし。
いや、美味しかったですよ。
うん、確かに美味しいですから。
670円の切符で浜松の街に着いた時にはすでに夕方になっていた。
昔の記憶を頼りに飲屋街を探して歩いた。
かなりの大都会なので、線路の高架や高層ビルが立ち並んで迷子になりそうだ。
浜松にはふたつの飲屋街がある。
千歳町と肴町。
肴町が安居酒屋やカラオケ屋、キャバクラなんかの大衆向けの盛り場で、ギラギラのド派手な看板が通りを埋め尽くしている。
千歳町は細い路地が入り組む静かなエリアに料亭やクラブが並んだお金持ちたちの飲屋街だ。
昔はこの辺りは一見さんお断りのお店が多かったらしく、今も歩いている人たちは重役っぽい大人たちばかりだ。
俺がいつも路上をしていたのはこの千歳町。
そして昔この街で過去最高記録を出したことがある。
確か6万5千円くらいだったかな。うなぎパイの会社の社長さんと重役さんたちの飲みの席に呼ばれてとんでもないチップが飛び交った。
浜松マジック。
というわけで今夜も浜松マジックを期待して、根性で路上開始。
うらああああああ!!!!今の俺はあの頃の俺じゃねぇぞおおおあおお!!!!!
10円。
あがり、驚異の10円。
浜松マジック。
え………?俺の顔にウンコかなんかついてます……?
みんな立ち止まって、いいね、と声をかけてくれるんだけど、全然お金が入らない。
喉の調子も悪くていい声が出てこない。
嘘だろおおおおお………と思いながら、まだ諦めんぞと吉田拓郎を歌おうとした時、1人の渋いおじさんが話しかけてきた。
「いいね、4階でバーやってるから寄りな。1杯ご馳走するよ。」
そう言って名刺をピンと差し出して、颯爽とビルに戻っていた。
というわけでIWハーパーロック。
大人のカッコよさを隅々までこだわったマスターのお店「ヨコハマ」は、美味しいお酒と渋い音楽のお店だった。
ウィスキーのグラスが塗料のはげた木のカウンターによく合う。
お言葉に甘えて数杯ご馳走になりながら色んなお話をし、たくさんの音楽を聞かせてもらった。
「やっぱり音楽ってのはさ、タマシイだからさ。グワッと心を鷲掴みにする、っていうの?カッコつけて本気でやらなきゃね。」
何曲も聞かせてもらったけど、1番良かったのはショーケンと柳ジョージの、時の流れって曲。
ショーケンって俳優でありながらこんなかっこいいシンガーでもあったんだな。
それにしてもバーの雰囲気にしても、お店の名前にしても、曲のセレクトにしても、カッコいいお店だったな。
「カッコつけることに関してはまだまだ負けないよ?大人の男はカッコつけなきゃね。」
マスターとの時間が心地よくて日付が変わっても遅くまでグラスを傾けていた。
俺もカッコつけるのが似合う男にならなきゃな。
というわけで、カッコつけながら浜松城の下のベンチで野宿しました。やべ、超かっけ。
おやすみなさい。
『ライブ情報』
とっても暖かい自由なライブです。
どなたでもお気軽に遊びに来てください。
そしてお時間ありましたら飲みましょう!
また宮崎の焼酎持って行こ!!
【2月28日】(土)
open 19:00
start 19:30
charge 2000円(ドリンク別)
出演 IKKYU chili 金丸文武 【ゲスト】天羽柚月
場所:東京 三軒茶屋
ライブバー四軒茶屋ホームページ
実力派シンガーのイッキュー君とchiliさん。
そして天羽さんは「日本一下手な歌手」として紅白出場を目指すシンガー。
身体障害を持っており、その壮絶な人生をそのまま曲にした歌には半端じゃない力があります。僕はまだ動画でしか観たことありませんが、きっと生はヤバイだろうなと思います。
かなりディープな夜になりそうな予感です!
【3月1日】(日)
開場 18時30分
開演 19時00分
出演 金丸文武、川田ようすけ
料金 2,000円(ドリンク別)
場所 : 東京 三軒茶屋
ライブバー四軒茶屋ホームページ
大好きな尊敬するシンガーソングライター、川田君とのツーマン。
パリのサプライズで僕の旅にも登場してくれた川田君とこうして正式に対バンするのは彼と初めて会った時以来じゃないかな。
この日は2人でお互いの曲もやってみよう!という話になっていますので、僕もめちゃ楽しみです!!
【3月3日】(火曜日)
『地球探検隊 旅パ!』
受け付け開始 19:00
ラストオーダー 22:00
料金 2000円(ワンドリンク+軽食)
場所 Polder Cafe 新宿店
個性的でワクワクするような旅を企画する旅行会社をやってらっしゃるカッコいいおじさま、中村隊長の主催するイベントです。
旅好きが集まるカフェで歌わせてもらいます!
あ、この地球探検隊のイベントは予約制となりますので、リンクのページから予約フォームに記入をよろしくお願いいたします!