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Channel: 金丸文武 3年で出来ること
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看護婦さんはなんでタメ口

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【治験2日目】






朝5時に部屋の電気がつけられた。

看護婦さんの声が部屋に響く。

眠そうにゾロゾロとベッドから出てデイルームに向かうモルモットたち。






いつも思うんだけど、どうして看護婦さんって患者さんにタメ口をきくんだろう。

タメ口じゃないにしても、まるで友達みたいに話しかけてくる。







検尿、血圧、心電図、体重、身長を計り、採血が行われる。


今日は採血が多いので留置針という注射を打ち、ワンタッチでいつでも血が抜き取れるような管を腕に刺し込まれた。
血液の蛇口を取りつけられた。


お医者さんと向かい合い、マンツーマンで錠剤を飲む。
水をたくさん飲まされ、隣のお医者さんが木べらを使って口の中に錠剤が残っていないかチェックする。

その様子を横からじっと見ているスーツ姿の製薬会社の人たち。









ジャージとロンTを着た若者たちは言われるままに朝ごはんを食べる。

こんな無機質な部屋の中で髪の毛がボサボサになっていると夢も希望もなさそうに見えてしまう。
無口にケータイをいじり、漫画の本を読んでいる。
テレビでは豪勢なステーキを食べる人が写っている。
周りを見渡すとコンビニのオニギリをかじる人々。


でも実際彼らにはなんだって出来る健康な体と、心配してくれる家族や恋人がいる。















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毎時間、採血をする。

薬を飲んだ後は30分おきにする。

細い管に赤い線が伸びると、人差し指大の容器に血液が満ちていく。

2本、血を抜くと、何かひんやりする液体を管に流し込まれる。

すると赤い管がさっと透明に変わる。

どういう仕組みなんだろう。

血液が瞬く間に透明になる。



その瞬間がなんだか綺麗で、採血のたびに見つめていた。








集団生活では時間が経つと、少しずつ友達ができ、仲のいい者同士が固まってグループを作っていくが、今のところそういった様子はない。

別に悪いことをしているわけではないが、後ろめたさを隠すように牽制し、壁を作っている。

モルモット同士で会話はまったくない。

みんな漫画を読み、ケータイをいじり、PSPでゲームをしている。


モルモット仲間、で友達ができるだろうか。

そのうち、あー!あれキツかったよねー!とか笑えるはずなんだけど。












隣の兄ちゃんは昨日読み始めた漫画のタフが、すでに27巻まで進んでいる。

みんなベッドのテーブルに漫画を積み上げている。


俺はひたすらにパソコンを叩く。
会話がないので集中して書くことができる。

今イスラエルのことを書いてる。
ヨルダンからイスラエルに入る時の中東の空気の変わり方。イスラムとユダヤとキリストの思惑が渦巻く聖地。
乾いた砂埃に吹かれながら、茶色の街で声を振り絞っていた。


こんな場所にいたんだな、と思いながらパソコンを叩く。
今いる場所もなかなか面白い。












よく刑務所に入ってる時はご飯が唯一の楽しみになるというが、結構その気持ちが分かってくる。

今夜は豆腐ハンバーグという質素なオカズだった。

それでもお腹いっぱいになれる。

帰国してから食が細くなり、ご飯を大盛りにしなくても満足できるようになったおかげだ。

大学生くらいなら足りないだろうな。











今日は留置針が入っているのでシャワーはなし。

23時の消灯前の採血でやっと終わりかと思ったら、夜中の2時にまた採血するという。

もはや抜きたいだけ抜いてくれという任せっきりの状態。








明日から新薬を飲む。










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