2015年11月15日(日曜日)
【愛媛県】 宇和島市
車の中で目を覚ますと、窓から太陽の光が差し込んで車内が暑くなっていた。
ドアを少し開けると涼しい風が吹き込む。
はぁ、とため息をつく。
大事な週末がずっと雨だったくせに日曜日になって晴れるという天気が恨めしかった。
車の中で寝転がったまま日記を書いた。
窓の外を人が歩いているが気にせず集中した。
ここは宇和島の町の中にある道の駅、きさいや広場。
地域の物産や様々なものが売られており、観光客だけじゃなく地元の人もよく来る場所だ。
人のいない宇和島でここだけいつも賑わっている。
ふと、外から何かの音楽が流れていることに気づいた。
音楽に混じって、マイクの声も聞こえる。
なにやら軽快なお喋り、というかラップのMCのような雰囲気だ。
こんな町中の道の駅でそんな若いイベントをやってんのか?
それらの音を聞きながらもしばらく日記に集中していたけど、どうにも気になって見に行ってみた。
すると建物の横にある屋根のかかった野外ステージで何かのイベントをやっていた。
そこで行われていたのはヒップホップダンスのステージだった。
舞台の上で2人のダンサーさんが交互に躍るダンスバトルをやっており、その横で司会のダボついた服を着た兄さんがオーイエー!と煽っている。
こんな、ともすれば軽薄な若者文化と断じられてしまいそうなヒップホップダンスのイベントなんてもんにたくさんの人が集まっているのおかしかった。
パイプ椅子の客席には子供連れのお母さんたちやお爺ちゃんお婆ちゃんもいる。
最近では学校の授業でヒップホップダンスを教えるなんて話も聞いたことがある。
ステージの上、相手を挑発するように激しく躍動する、まだ中学生くらいの女の子。
音楽が止むと大きな拍手が響いた。
どこかでご飯を食べようと晴れ渡る空の下を歩いた。
寂れた町は黙りこくって俺のことを見ていた。
足を進める。どこにもあてはない。
何かいいお店があれば、どこか面白そうな場所があれば。
風が気持ちよくて、アスファルトの平坦さが心地よった。
1日はとても早くて、あっという間に、昨日と同じように夜になる。
暗さが心の隙間を埋めて、影を見えなくしてくれるから安らぐ。
でもその安堵はとても寂しい安堵。
今日、何をしただろう。
この日に何をどれだけ積み上げられただろう。
何も変わっていないのに、きっとものすごく大きく変わっている。
フランスではテロが起き、たくさんの人が死んだ。
あっという間もないうちに終わってしまった人生を思うと、今この頼りない命がありがたくもあり、はがゆくもある。
電球の切れかけた外灯がパッパッと光り、まるで人生にフラッシュをたいているかのよう。
張りつめた静寂の向こうから聞こえるあの懐かしいメロディーがそっと胸を打つ。
心が空っぽになってしまったかと思った。
変に穏やかで、白々しくて、足元を見ながらぼんやり歩く。
でも、こんな時でも、こんな時でもこの気持ちを詩にできないかと考えてしまう自分がいて、俺はこの精神から逃げ出すことはできないんだと思う。
気持ちを詩にしながら、メロディーを口ずさむ。
足音のリズムにとらわれないように。
口から勝手に出てくる旋律に操られないように。
自然とラブソングになっていく。
言葉が誰かに優しくしたがっていて、これが本心なのかと思った。
誰かを求めて、誰かに優しくしたかった。
こんな俺でも、誰かの存在が、俺の存在を肯定してくれる。
何も持たずに生きていけるほど、強くはない。
1人で歩いた。
やっと、ラブソングを作れるようになったのかな。
次のライブは三重県!!!
松阪市!!!
三重のみんなー!!名古屋のみんなー!!
遊びきてえええええ!!!!
とびきり不吉な夜になること間違いなし!!
だって対バンはこの人だもの………
【ザ・弾き語りライブ】
★2015年12月6日(日曜日)
★三重県松阪市 『音楽屋 tak楽ki』
★チケット1000円
★14時半オープン
★15時 1部スタート
・小池洋也
・もみじ
・瀬古祐介
・ゆうきまん
・こうのひろなり
★17時 2部スタート
・剛兵太
・金丸文武
よろしくお願いします!!!