2015年10月24日(土曜日)
【大阪府】 十三 ~ 京橋
昨日、北新地の路上で見事撃沈したおかげで若干焦りながら起きた土曜日。
最近、路上調子良かったからな。久しぶりの撃沈でこのままでは黙っていられない。
それにこれからたくさん来ることになる大阪で、なんとかいい稼ぎ場を確保しておきたい。
今日こそどこか歌える街を見つけるぞ。
というわけでランニングがてら、路上場所の下見に行くことにした。
淀川を見ると、上田正樹の悲しい色やねを思い出す。
ホールドミータイト、大阪ベイブルース
川はいくつもこの街流れ
恋や夢のかけら
みんな海に流してく
あの曲の舞台は南港あたりなのかなぁ。
上田正樹の声、たまらないよなぁ。
しかもあの人、ライブでリッチーヘブンスのフリーダムなんて激渋にもほどがあるような曲をやったりしてる。
本当、アメリカのブルースが大好きな人なんだろうな。
悲しい色やねを口ずさみながら淀川を渡り、やってきたのは大阪で1番ブルースが似合いそうな街、十三。
庶民の町ってイメージで、大阪でスナック街といったら十三って答える人も多い。
ライブバーには来たことはあるけど路上をやりにしたことはない。
どんなところなんだろなー。
さ、さすが十三………
変なおじさんがたくさんいる町ってよく聞くけど、こんな笑えないボケ全開のお店も結構ある。
大阪の人はなんでこんなにすぐ笑いをとろうとするんだろう。
こんといてー、って。お店やん(´Д` )
十三の飲み屋街はそれなりの感じだった。
安くて派手派手な看板の居酒屋、ピンサロとか中国人のエロマッサージ屋さん、それと雑居ビルが数軒ってくらいか。
まだ昼間なのにケバい化粧をしたおばさんがそこらへんをウロウロしている。
おっさんも地面に座ってボケーっと道路を眺めてる。
いい感じで力の抜けた町。
これぞ大阪って雰囲気だ。
飲み屋街エリアから駅の方に走っていくと、交差点に面してアーケードがぽっかりと口を開けている。
なにこの小便小僧の後ろ姿のキャラ。トミー君?
ぼちぼち人通りのある商店街を歩き、頭ぶつけそうな高さのガードをくぐると、駅の反対側に出る。
駅前のちょっとした広場には暇そうなオッさんとおばさんがたむろしていて、どう見ても自分の子供にあんまりここで遊んで欲しくないオーラが漂っている。
アーケードは錆びついて古ぼけており、みんな秋の日のひなたに寄り添っていた。
うーん、十三、こりゃ微妙かなぁ。
悪くないんだけど、もっといい場所がありそうな気がする。
十三って東京でいったらどこだろう。
安い風俗がたくさんあって下町で変なオッさんがたくさん………錦糸町とかかな。
結局十三はやめて、この夜は京橋に行くことにした。
京橋もまた大衆的なサラリーマンたちの飲み屋街といった場所。入り組んだ路地に飲み屋が連なっているので三軒茶屋に似てるかも。
京橋といえば真実の口。
駅を降りた瞬間、どわー!!!!っと人の渦!!
その半分くらいが客引き!!
みんな口々に呼び文句を大声でわめいているし、酔客は大笑いしているし、パチンコ屋さんがいたるところあって、まぁ騒々しい街だ。
雑踏にむせそうだ。
みんな見事に酔っ払っており、フラッフラしながら歩いている。
しかもなんかガラの悪そうな人が多いので絡まれそうで怖い。
駅前にはこれでもかってくらい、立ち飲み屋がひしめいており、みんな楽しそうに外に出されたテーブルでもつ焼きをつまみながらハイボールかなんかをあおっている。
細い通りをせばめながら飲んでいるので、もはや通行人と立ち飲みしてる人の境界線がほぼない。
まさにサラリーマンが仕事帰りにちょいと一杯やるところだ。
こ、こりゃ歌う場所ないわ…………
京橋の、のれん恋しく、途中下車
いい川柳だなぁ。
ギターを持たずに飲みに来るならそりゃあワクワクしてたまらないんだろうけど、金曜も歌えなかったのに土曜日もやれないのは辛い。
辛いし、仕事をさぼったみたいで罪悪感に暗くなってしまう。
路上パフォーマーにとって雨の降っていない金曜と土曜は絶対にはずしたらいけない日だ。
それを場所が見つけられないからって出来ないなんて、失格だよなぁ。
強引にでもやったらやれんこともないんだろうけど、どうせやるなら自分が納得する場所で歌いたい。
このものすごい混雑した人ごみの中にいると、なんだか場所が見つけられなくて元気がなくなってきてしまった。
大阪って路上やりづらいなぁ。
見上げるとグランシャトーっていうケバケバしいビルが目に入った。
ああー、これがグランシャトーか…………
大阪の人はグランシャトーのCMの歌をみんな歌ってるよなぁ。
久しぶりに週末撃沈の夜。
トボトボと帰った。