2015年4月2日(木曜日)
【北海道】 札幌市

札幌探検スタート。
ママチャリ号にまたがって、いざ北の大都会へ!

あ、あれ?目の錯覚かな……?
今マリオカートのマリオがいたような気が………
いや、何言ってんだよ。
昨日遠藤さんの子供たちとゲームのマリオカートしてたからってそんなもんが実際走ってるなんてわけな………

札幌怖い。


まず最初にやってきたのは北海道大学。
ここにはあの有名なクラーク博士の銅像がある。
クラーク博士といえば明治維新後に札幌農学校に赴任し、日本に近代的な農業を伝えた偉人。
クラーク博士のあの有名な銅像にちゃんと挨拶をしてから札幌探検を開始しようという、旅人としての礼儀がヤバイことになってるアレです。
というのは建前で、ここは北海道大学のドサンコ女子大生たちに僕のボーイズをアンビシャスし…………

あれ……?

俺がイメージしてたの、立って指差してるやつなのに、なんか違う。
えええ!!?
なにこの胸像!?
慌てて検索してみたら、あの指差してる銅像はだいぶ街から離れた郊外にある羊ヶ丘展望台ってところにあるみたいですね。コンチクショウ!!!
もうムカつくからススキノ!!!
ちょ!!店の名前!!
郷土の偉人!!

ススキノは危険な街です。
初めて来た時、昼間に友達とウロウロして、一軒のピンがサロするところに入りました。
すごく可愛い女の子がいけないことをしてくれました。
値段いくらだと思いますか?
2千円でした。
ここベトナム?
シンジラレナイ。
ススキノ、シンジラレナイ。
いやっふおおおおおおお!!!!!たったの2千円で僕のボーイズをビーしてアーンビシャスしてもら…………
うわけないです。
風俗嫌いです。
でも本当すごいです。


こんな巨大なビルが全部風俗です。
それがとてつもなく広大な地域に広がっています。
札幌の人、どんだけたまってるんですか?って勢いです。
即尺専門店、とかって名前もどストレートです。
男の楽園ですね。
もちろん行きませんでしたよ。
行くわけないです。
クソ行きたい。



時計台、北海道同庁などを見て回り、札幌のメインストリート、狸小路アーケードへ。
札幌の路上ミュージシャンたちはみんな夜になってお店が閉まった後に、この狸小路で演奏してるらしい。

悪くない。
でもやっぱりやるなら夜かな。
それからお腹が空いてきたので、ご飯タイム。
札幌でご飯といったら、やっぱりこれしかない。
味噌ラーメン。


てつや、欅、すみれ、などなど。
超有名店がひしめく札幌。
どこにするか迷ったけど、今日は信玄へ。
うん、王道味噌ラーメン!!美味しい!!



それからもしばらく歌えそうな場所を探してうろつき回ってみたけど、なかなかいいポジションがなく、夜のススキノに来てみたけど、ここもホコ天のいい通りがない。
どこも車道に面してるし、モニターの爆音が流れてたり、客引きの兄ちゃんたちが溢れかえっていてやりづらい。
やっぱり札幌では狸小路アーケードかなぁ。
それにしても狸小路アーケードの外国人観光客の多いこと。
中華系の観光客たちがマジで通行人の半分くらいの割合で歩いてる。
そんでこれでもかってくらい土産物屋さんで買い物をしてる。

鬼のように積み上げられた発送用のお土産たち。
すげすぎ。
こんなの日本の土産物屋さんでほとんど見かけたことないよ。
しかもこのレベルの買い物をするグループがガイドさんに引き連れられてひっきりなしにやってきている。
こりゃお店も笑いが止まらんよな。
今や外国人観光客の誘致は街の大きな課題だ。
どれだけ呼び込めるかで経済は大きく変わるだろうな。

札幌は寒い街なので地下に広大な地下街が広がっており、札幌駅からススキノまでの地面の下に無数の店舗がひしめいている。
一応地下もやれる場所はないかと散策してみたが、一瞬で警備員に止められそうな雰囲気だ。
今日見て回った感じでは、この狸小路アーケードの7丁目が1番マシなのかな。
古びた端っこのエリアなんだけど、昔ながらのお店が残っており、その隙間にオシャレで個性的なバーが入っている。
ここの週末は面白そうだ。
せっかくギターを持ってきたのはよかったんだけど、今夜は遠藤さんの家に友達が遊びに来る予定なので、今日は下見だけにしておいた。

帰りに少し足を伸ばして、札幌の他の繁華街である琴似エリア、北24条エリアも見て回ったが、どこも同じような感じ。
札幌の街をぐるりと一周して夜の22時に遠藤さんの家に戻ってきた。
地下室の作業部屋に入ると、遠藤さんがエレキギターを弾いていた。
ずっと昔からレギュラーで弾いているエレキとお気に入りのアンプ。
大病にかかって、当初は箸を持つことも出来ないほどに体から力がなくなっていたというのに、凄まじいリハビリの末に今ではこんなに華麗に弦を押さえることが出来るようになっている。
脳が腫れ上がったことで一部今までの記憶を失っているのだが、それでもギタリストはギターを弾いている。
今夜来るはずだった友達は、仕事が遅くなったことでまた今度に、ということになったみたいだった。
遠藤さんは2ヶ月もの間、昏睡していたそう。
その間毎日病院に来ていた奥さんの絶対に何がなんでも諦めない、という気持ちを思うと涙が出そうになる。
腎不全などの多臓器不全、敗血症、電撃型髄膜炎、その他諸々。
もしかかってしまったらほぼ死ぬ、というレベルの病気を同時に何個も併発した遠藤さん。
絶望的とした言いようがない。
しかしそれでも長い夢の後に遠藤さんは目を覚まし、そこから本当の闘病が始まった。
まず、目を覚ましたら両足がないという状況。
もう、たまらんよな………想像しただけでつらくなる。
一言に切断、と言っても、色々種類があるみたい。
例えば切断というのは骨ごと切ることだが、膝などの関節から切ることは離断というそうだ。
遠藤さんの場合は下腿切断というもので、義足を装着することを考えた時にひざが残っているかどうかでとても大きな差が出るらしく、奥さんが判断して壊死が膝に上ってくる前に切ったのだという。
「リハビリに入る時に、専門家と理学療法士と面談したんだわ。そしたら、義足に期待はしないでください、立って歩くなんて無理ですので、とかって言うんだわ。ハナからそんなだからさ、夢も希望もないよね。」
遠藤さんからしたら義足をつけてでもまた歩けるようになれるはずと希望を持っているのに、理学療法士がそんな最初から諦めてるんじゃどうしようもない。
確かに過度の期待はしてはいけないのかもしれないけど。
そんな中、1人の理学療法士と出会ったんだそう。
その人は、やれるだけやってみましょう、やってやれないことはないですよ!と全力で遠藤さんをサポートして一緒にリハビリを始めたんだという。
あの人がいなかったら今でも車椅子だろうなぁと遠藤さんは言う。
やってやれないことはない。
無理なことも確かにあるかもしれない。
でもやる前から諦めちゃいけない。
諦めるってカードは、全力で頑張ってもう本当にやりきった時に最後に切るカードだ。
というか、それしか道がなければ諦めるという選択肢すらないのかもしれん。
選択肢があるだけまだマシだってことだよな。
「それにしてもさ、これ不思議なんだけどさ、北大の病院の看護師さん、絶対顔で選んでるよあれ。特に救急の人たち。」

本当、頭が下がる。
まだまだ頑張れるよな。
桑田健志