2015年3月24日(火曜日)
【岩手県】 北上市 ~ 盛岡市


こんな雪ボサボサ降ってるのに犬の散歩とかしてる岩手の人、宮沢賢治好きすぎ。
アメニモマケズ精神強すぎ。
う、うーん、さすがに寒すぎて全然眠れんかった…………

寒さに加えて今日も風が強く、なかなか寝袋から出られず、やっと昼前になって気温が上がってきて意を決して寝袋から脱出。
一瞬にして顔が凍りつきながら、音速で荷物を片付けて、橋の下から出ると雪ドッサリ。
ここけくこ………………寒すぎる!!!!
岩手寒すぎ!!!
乾ききってない靴の中で指が千切れそうになってる。
一目散に昨日見つけていた中華料理屋さんにダッシュして、ゆっくり温まりながらご飯を食べた。
窓の外では雪が逆巻きながらうねっている。
こんな中でヒッチハイクなんて出来ねぇよ…………
さすがに電車使うかなぁ………
でもこんくらいで電車使うのもなぁ…………
岩手でかいから電車代そこそこするしなぁ…………
岩手って四国くらいの大きさらしいですよ。
でかすぎ。
日本一周の時は車だったから夏油とか久慈とか、あらゆるところを見に行ったけどガソリン代かかってたまらんかった覚えがある。
ただ北上するだけでもなかなかの距離だ。
ヒッチハイクでどれだけ進めるか…………
あー、考えててもしょうがない。
雪も小降りになってきた。
ヒッチハイクかますぞ!!
風でギターがあおられてまともに歩けないくらいの暴風の中、やっとのことでヒッチハイク場所にたどり着いた。

わずかなバス停のスペース。
雪が風に乗って頬に打ちつける中、親指を立てた。
しかし、なかなかつかまらない。
30分くらい待つのは別に普通なんだけど、この寒さの中の30分はスーパーきつい!!!
頼むーーーーー!!!!!止まってくれよおおおおおおおお!!!!!!
なんかのテレビ番組で見たけど岩手の人って日本て一番親切な県民じゃなかったのかよおおおおおおおおおお!!!!!!!!
あっ!!止まった!!!!
止まったあああああ!!!!!
バス停のスペースに入ってきたプリウス!!
で、でもこれが俺のために止まったかはわからない!!!
こんなとこに止まるなんて間違いないけど、確定ではない!!
ど、どっちだ!!
と思っていたら助手席の窓が開いた!!!
こっちに来いという合図だ!!!
「うわあああああい!!こんにちは!!」
「ヒィイイイ!!な、なんですか!!?」
声をかけたら助手席で飛び上がって恐れおののくおばさん。
「な、なんですかって言われても…………あの、ち、違うんですか?」
「な、なにがぁ!?ええ?!なにがぁ!?」
完全に犯罪者扱い。
なんなの?なんでこんなバス停に止まるの?
俺がここにいるのわかんないの?
それからもヒッチハイクを続けるが、車1台分のスペースしかないバス停にプリウスが斜めに止まってるので、止まろうにも止まれない状態。
え?なんなの?
ヒッチハイクって知ってる?
そこいたら邪魔なんですけど?
休憩ならそこら中にお店の駐車場あるじゃないですか?
なんでわざわざここに止まるの?
バカなの?
野村沙知代みたいな顔して。
びゅううううううううう!!!!!
ぬぐおおおおおお!!!!さみい!!
寒すぎるうううううう!!!!!
ひたすら親指を立てるが全然止まる気配ゼロっていうか、プリウス動かねぇええ!!
なにやってるのそこで!?
初老のおじさんおばさんなにやってるのそこで!?
カーセックス!?
だめだ………ヒッチハイクは精神集中だ………
落ちつけ、落ち着いて親指に気を集中させろ…………
アメニモマケズ、カゼニモマケズ、プリウスノカーセックスニモマケズ…………
賢治先生ーー!俺に力をーーー!!!
もう泣きそうだよおおおおおお!!!!
また雪降ってきたあいあいあい!!!
寒すぎるううううううう!!!!!
「おおーい、乗っけてくよー。」
どこからか声がした。
ど、どこ!?
どこだ!!
振り返ると、後ろのお店の駐車場に大きなバンが止まっていて、優しい笑顔のお兄さんが手をあげていた。
賢治先生えええええええええ!!!!!!
「寒かっただろー。今日は特に寒いからなぁ。」
「もう今超あったかいです!!お兄さんたちのおかげで!!」
「俺は鬼剣舞やってるんだよ。」
「ぐぎゃあ!!鬼剣舞マジカッケェ!!!」
鬼剣舞の中身がこんなだったら全然怖くねぇっていう可愛すぎる笑顔のお2人と楽しすぎるドライブ。
「お2人はどこに行くところだったんですか!?」
「ん?まぁ仕事休みだからちょっと買い物行こうってところだったんだよー。別に何もないから盛岡まで行こうか。」
「イーハトーブ!!!」
「コンビニ寄ろうか。飲み物何が好き?」
「ビールでござる!!」
「ははは、じゃあこれとこれとー。」
「いいね、じゃあこれも入れちゃおうよ。」
「あ、じゃあツマミもいるね。」
コンビニで大量のお酒をゲット。
こりゃお酒飲みながら楽しすぎるドライブか!!
「はい、ちょっと重いかな?」
「え?みんなで飲むんじゃないんですか?」
「違うよー。俺たちは帰らないといけないからね。全部持ってって。」
イーハトーブウウウウウウウウウウウ!!!!!!!!!!

そんな鬼剣舞っていうかクマのプーさんみたいに可愛すぎるトモさんとテルさんは北上のご出身。
震災後に大船渡でライブハウスの店長をやっていたらしく、岩手の音楽業界にかなりのパイプを持っているらしい。
今度こっちきたらライブ企画させてよー、と話がトントン拍子で進んでいく。
なんだこれ?!さっきまで地獄だったのに!!!
「ほら、この辺りが大通りだよ。盛岡のメインストリート。」

ただ送るだけでなく街の案内までしてくれるトモさんテルさん。
神プーさん。
「そういえば椀子そばってどれくらい食べられるものなんですか?」
「んー、成人で100杯くらいじゃないかな?」
「小学生の頃で30杯は食べてたかなー。何か食べたいものある?」
「あ、じゃじゃ麺とか気になります。」
「そっかー、ならお店探そうかー。乗せてくよ。ていうか泊まるのはどこ?」
「今日は満喫に泊まろうと思ってます。」
「そっかー、んー、よし、俺たちも食べてくか。それから満喫まで送っていくよ。」
もう、ただの神。
ていうかもう大好き。この人たち。
なんか初めて会った気が全然しない。


可愛すぎ。
じゃじゃ麺うますぎ。
イーハトーブウウウウウウウウウウウ!!!!!
「あー、まぁまぁ美味しかったね。」
「うん、さてー、帰ろうかー。」
ノンビリした空気の2人。
しかしあの震災の時は、全国から送られてくる凄まじい量の物資を家に集め、仕分けして車に積んで沿岸部に運びに行っていたそう。
自分にできることはないかと車中泊をしながら被災地の手伝いをしていたという熱い熱い人たちだ。
「岩手来たら連絡してねー。いつでも飛んで行くからねー。」
「元気でやれよー。」
漫画喫茶の駐車場、雪がボサボサ降りしきる中、トモさんテルさんの車を見送った。
漫画喫茶の中で部屋を確保し、暖かいマットルームでジュースバーのソフトクリームを食べながら幸せの黄色いハンカチ。
それを見終わったら間髪入れずに買ってもらったビールとおつまみのさきイカをつまみながら幸せの黄色いハンカチ、ハリウッド版。

号泣。
地獄から天国。
しかも大好きな友達が2人できた。
ヒッチハイクってマジで奇跡。
ああ、順調だ。
トモさん、テルさん、ありがとうございました!!!
イーハトーブ!!!