2015年3月12日(木曜日)
【群馬県】 草木ダム ~ 【栃木県】 日光 ~ 鬼怒川
今日っていう1日はマジでキてた。
キてたとしか言いようがない。
この日の俺を女の人が見ていたら2秒で落とせていた。
それくらい鬼のようにキてた。
まず気温マイナスの極寒の朝にダム湖の横で目を覚まして、ゆうべもらった賞味期限切れのお弁当を泣きながら食べる。
キ、キてる!?

キてるね。
ノリノリですよ。
泣きながらお弁当食べてたら、ふと横にお社があるのに気づいた。
ゆうべ暗かったからわからなかったけど、何かを祀っているようだ。
ふーん、と思いながらお社の前に立ってるのぼりを見てみた。

そんなに僕のことが嫌いですか?
マジでネタじゃねえ(´Д` )
いやー、鬼のようにキてるなぁと思いながらタバコを吸っていたらカッピーから電話がかかってきた。
めっちゃテンションが高い。どうしたどうした?
「フミくうううううん!!!!!◯◯いけたよおおおおおお!!!!よーし気合い入ってきたあああ!!」
ぬおあおあおおおおおおお!!!!!!きたああああああああああ!!!!!!
草木ダムに叫ぶぞおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!
みたかコノヤロオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!

「おはよう、寒かったでしょー。」
「おはようー、どこから来てるんねー?」
いつの間にか俺が外で寝ていた話がドライブインの人たちに知れ渡っており、みんなが笑顔でニコニコ声をかけてくださる。
昭和で時が止まったかのようなドライブインの中で暖かいお茶を出していただき、ホッと一息。
冷えた体にお茶が鬼うまい。
うん、キてるなぁ。


優しいみなさんに見送っていただきヒッチハイク開始。
ソッコーゲットして山の中を走っていたら、さすがは山深い場所。猿が普通に道の脇にいる。
まぁ、猿くらい珍しくないけどね、宮崎だってたいがい田舎ですから野生動物とか余裕で友達ですよ、ってちょっと車止めてえええええええ!!!!

シシ神様、登場。
民家の裏庭を歩いてた。
す、すげぇ…………
しばらくずっと目が合ってた。
あれの首をとったらだいだらぼっちになるんだなぁ。
シシ神様はゆっくりと藪の方に歩いていった。

いきなり特別天然記念物と遭遇とかキてるにもほどがあるぞ?と思いながら、山を駆け抜けていく。
栃木県に入り、世界に取り残されたような足尾の集落を過ぎ、日足トンネルで山のドテッ腹を貫いたら、そこはもう日本屈指の行楽地、日光だ。
本当ならいろは坂から中禅寺湖、日本三名瀑の華厳の滝も見たいところだけど、ヒッチハイクでそんな注文はつけられない。
まぁ昔このあたりはがっつり回ってるし、ここからさらにものすごく山奥に入った川俣温泉とかにも行ったことはあるので、そこまで後ろ髪は引かれない。
今回はあくまでお世話になった人への挨拶の旅。
観光地に行く時間があったら1人でも多くの人に会いに行かないと。
流れにまかせること。
というわけで思いっきり観光地の東照宮へ。
観光サイコー!!



言わずと知れた徳川家康を祀る場所。
まぁその豪華絢爛さったら、とにかくすごい。
天下をおさめた徳川家康は、当時は神レベルの権力を誇っていたんだろうなぁ。
こうして改めて日本最高峰の建築物を見ると、世界中で見てきたそれぞれの国を代表する遺産にもまったくもって引けをとっていないと実感する。

最後に東照宮の目玉のひとつ、16mもの天井絵が圧倒的な鳴き竜もしっかり拝ませてもらった。
鈴鳴きの龍とも言われており、その龍の顔の真下で拍子木を打ち鳴らすと、不思議な残響音が響くことからこう呼ばれている。
龍の鳴き声を聞いたら運が開ける開運の龍とのこと。
いやー、今日は運が観音開きしてやがる。
東照宮に来たのはただお参りというわけではなく、観光客狙いで歌ったらイケるんじゃないだろうか?と思ったから。
外国人観光客も多いのできっと稼げる。
よーし、ブチかましてやるぞウヒョウ!!
と思ったのだが、さすがに躊躇。
う、うおぅ………やっぱ神聖さ半端じゃねぇよな…………

今まで色んな場所でやってきて、外国でも知らんことをいいことにあらゆる場所で歌ったけど、さすがに日光東照宮で歌うってのはヤバイ気がする(´Д` )
そもそも人もあんまおらんし…………
土曜日曜だったらもっとわんさか人がいて、参道の土産物通りでやってもいいんだろうけど、平日は結構寂しいもんだな。
というわけで先を急ぐことにしてヒッチ再開。
雪をかぶった山々がここから先の道のりは今までとは同じじゃないぞ、ということを警告しているかのよう。
望むところだ。

そうしてやってきたのが……………


いやああああああああああ!!!!!
鬼怒川あああああああああ!!!!
日本の旅最高すぎるうううううう!!!!

温泉郷にきたらやること一つです。
旅してて温泉入れるんですよ?
極寒の公園の水道で頭かち割れそうになりながらシャンプーする必要ないんですよ?
日帰り温泉とかあるんです。
日本ってなんて素晴らしいんだろう。

ひとまず腹ごしらえ。
すっごい裏路地で、客席で小学生の子供が宿題やってるような素朴すぎる食堂なんだけど、ここ大当たり。
酢豚美味すぎ。久しぶりに美味しい酢豚食べて大満足。
食べきれない量だったのでパックしてもらって夜ごはんにすることに。
鬼怒川に来たらこの食堂で決まりです。
そしてついに念願の……………


市営岩風呂です。510円。
もう鬼気持ちいい。
鬼が怒るレベルで気持ち良すぎる。
外の気温はちょうど0℃くらい。
夜中にはマイナスまで下がる予報。
全身冷え切って、手が痛くなって、顔がしばれて、足の感覚がなくなって、重い荷物に関節が軋んで、
そこに温泉………………
マジで全回復。体の芯から温まって、疲れが抜け出ていくようだ。
いやー、日本の旅ってズルいなぁ。
これはやめられんよ。
温泉ですっかりキレイキレイになったら、次にコンビニに行ってさっきの酢豚を温めてもらい、オニギリを買って晩ご飯タイム。
このウルトラ寒い山あいの温泉郷。外で食べるなんて考えられない。
ではどこで食べるか。

高級旅館のロビー。
暖かい暖房、フカフカのソファー、高級旅館にいるという贅沢な気分。
そう、まるで、宿泊客ですけど?は?浴衣着てないけど泊まってますけど?という顔をしながら堂々と旅館に入り、自然にソファーに座ることがポイントです。
おどおどしていたらいけません。
おどおどしていたら………………
はっ!!
あ、温泉入ってお腹いっぱいになって、あまりの気持ち良さにソファーで眠ってしまいそうになった。
うおう………500円払うからソファーで寝させてもらえないでしょうか…………
ダメですか。そうですよね。わかってます。
旅館を出ると、ものすごい寒さで震え上がった。
ぐおおお、こいつはやべぇ………
でもここは田舎の温泉郷。
休憩のベンチやあずま屋がいたるところにあるので、どこで寝てもOKだ。
さっさと野宿場所を確保し、小屋の中で寝袋に包まった。
温泉効果なのか体があまり冷えてこない。
寝袋の中が暖かい。
こいつは今夜は熟睡できそうだ。
寝袋の口をキュッと絞っていも虫状態になる。
呼吸用に少し開けておくのだが、そこから冷気が入ってきて鼻を冷やす。
夜の闇の中に体を横たえていると、色んな音が聞こえてくる。
風の音、葉ずれ、川のせせらぎ、遠くの車の音。
ここは鬼怒川。
古の旅人たちも温泉で骨身を癒したんだろうな。
いい感じだ、どんどん旅っぽくなってきたぞ。
このノッてる調子で北海道まで駆け上がってやる。