2015年10月15日(木曜日)
【福島県】 いわき市
よっしゃいわき満喫するぞこのクソボケ野郎おおおあああああああああ!!!!!!!!
なにか!?何が食べてぇとか!?あれか!?カツか!?カツが食べてぇとか!!??
カツ食べるぞオラァ!!!!!!!!
いわきで有名なカツ屋さんといえば、やきかつたろう!!!
まだ食べたことないから、やきかつってのがどんなのか全然わかんねぇけどB級グルメの匂いがぷんぷんしやがるぜこのディオめ!!!
やきかつ食べさらしやがっちゃらりれるろれられ!!!!!!!!!
定休日。
ほへ………な、なんてこった…………
いわきのおっちゃんたちに大人気のこのお店で食べるのを楽しみにしてたのに…………
仕方なく小名浜のほうにある泉駅へ。
泉駅の前になにやら評判のご飯屋さんがあるとのことだったけど、お店の名前が大好き!!
腹ペコ!!
でも少食だからあんまり食べられんけど!!
カウンターにオカズがたくさんならんでいて、その中から3つを選んでご飯とお味噌汁がついてなんと600円。
から揚げマジ美味しい。
ここめっちゃいいわ。
大満足。
それから湯本温泉にやってきた。
うおー、懐かしいなぁ………
いわきに来たらお風呂は必ずここだった。
平安時代に開かれたと言われるこのいわき湯本温泉。
道後温泉、有馬温泉と並んで日本三古泉に数えられる古い温泉地として賑わいを見せてきた。
今でこそ結構寂れてしまっているが、地元の人たちに愛される湯治施設もいくつかあって、毎日たくさんの人でごった返していた。
このお湯が大好きで、たまらなかったなぁ。
かつてこの地は佐波古といい、ひと組の恋人がいたそうな。
2人が歩いていると、湯気の上る泉に傷ついた鶴がいたそうで、可哀想に思って傷の手当てをしてあげたところ、鶴は元気になって飛び立っていったらしい。
数日後、2人のもとに高貴な美女がやってきて、彼らに巻物を渡してきた。
そこには、この地に温泉を作って子孫繁栄するべしと書かれており、それがいわき湯本温泉の始まりとされている。
日本各地によくある伝説話だ。
海に飛び込んだ悲恋の女性が岩になったとか、助けた鳥が天女になって滝を作ったとか、そうした言い伝えがどこから始まりどうその形になったのか、何百年もの間、人々の口伝いに伝承されてきたのかを思うと、たまらないロマンがある。
本当はただの作り話じゃないのか、
それとも小さな出来事が尾ひれ背びれで変化したのか、
各地に伝わる風習や伝説は人間の歴史の系譜だ。
湯本温泉の心臓、さはこの湯。
値段は驚異の230円。
この日もたくさんの人々で、洗い場に待ちが出るくらいの賑わいだった。
あー!さっぱり!!
しばらく湯本温泉を散歩してからいわきの町に戻ってきた。
24時間のパーキングを探すんだけど、なかなかどこも値段が高い。
こんな田舎のわりには嘘だろ?みたいな値段だ。
やっとこさ少し離れたところに24時間500円のところを見つけてぶち込み、すぐにギターを持って飲み屋街の田町へやってきた。
うーん、いいなぁ、いわきの飲み屋街。
細い路地が3本、平行にのびており、そこがすべてスナック街となっている。
町の大きさのわりには飲み屋街が大きく、一箇所に集中しているので路上がやりやすい。
町の人もみんな優しくて、今まで何度も歌ったこのいわきの町。
よーし、久しぶりにかますぞー。
もうすごい。
完璧すぎる。
この場所完璧すぎる。
俺の場所選びやっぱすげぇ。
歩道の幅、ビルの高さ、周りのお店、すべてバッチリ。
通る人のほとんどが足を止めて歌を聞いてくれる。
さらに周りのお店のママやおばちゃんたちが出てきて、あれー!あんたまた来たのねー!懐かしいねー!と声をかけてくれた。
みんな俺のこと覚えててくれたんだ………
お世話になってたお店はほとんどなくなった。
でも残っている老舗の飲み屋もいくつかはある。
「あらー!あんた日本一周の?!覚えでっかー!?あそこでソバ食べだのー!」
「うわー!覚えてます!!僕あれから世界一周に行ってたんですよ!!」
「そうがー、それより福島の前はどこの県にいたんだ?」
相変わらずどこの町に行っても世界一周の話はまったく興味を持ってもらえない。
食いついた人でせいぜいどこの国が1番よかった?っていう質問があるだけ。
それでしばらく日本の県の話をしてから、ギターケースに置いてある俺の本に気づく。
そして本を見て、あれ!海外も旅して来たのかい!?って驚かれる。
いや、さっき言いましたよね?っていつも思う。
世界一周ってワード、耳に入らないんだよなぁ。あれなんでなんだろ。
そんなおじさんおばさんたちに日本の旅の話をしながら歌いまくった。
驚くのはその人出。
今夜は木曜日だ。
いわきくらいの町だったら平日のネオン街なんて閑古鳥もいいところってのが相場だけど、不思議なことにかなりの酔客が通りを歩いている。
そういえばさっき中華料理屋さんに入ったら関西弁で下品に騒いでるチンピラ風のやつらがいた。
おそらくあれは県外からの作業員だろう。
宮城県の石巻市もたくさんの作業員が全国から集まっていた。
いわきも同じ状況だ。
ただいわきの近くには原発がある。
津波で破壊された沿岸部の復旧作業、建築ラッシュ、それに加えて除染作業という膨大な人出を要する仕事がこの福島県浜通りには溢れている。
このいわき市はそれら原発作業員たちの最前線基地だ。
かなりの人間が流れ込んできてるんだろう。
これは田町のママたちに聞いた話だけど、そうした除染作業員たちは危険作業な分、給料が良く、その上単身赴任や独り身の人が多いので金遣いが荒い。
おかげでそれまで元気のなかった田町のネオン街に人が溢れ、飲み屋さんの数も一気に増え、原発様様の大フィーバー。
週末平日関係なく毎日人が出ているらしい。
しかし一部の悪い飲み屋がそうした県外の作業員を相手にボッタクリを始めてしまい、何十万もふんだくるような事件が頻発。
おかげでこの夏から条例で田町での客引き行為が一切禁止になったとのこと。
そういえばこの田町の路上には黒服さんが立っていない。
おかげで路上はこの上なくやりやすい。
しかしふざけた話だ。
原発関連の仕事に来ている県外の人たちが、どれほど使命感を持って乗り込んで来たのかはわからない。
ただ給料がいいからってだけかもしれん。
しかしだ、それでもこの福島のために命をはって仕事をしてくれてる人たちに対してボッタクりをカマスなんて人間腐りきってやがる。
どんな神経してやがるんだよ。
ママたちが顔をしかめる。
震災後に中国のお店が増えてそこら中で中国語が聞こえてくる。
飲み屋だけでなくエロマッサージ屋さんもウジャウジャある。
金の匂いのするところには必ず中国人がいるなぁ。
「いいねー!!いい!!よし!飲み行こうよ!!一杯おごるよ!!」
さっきからずっと歌を聞いてくれていたおじさんが声をかけてきてくれた。
そろそろ24時なので終わろうかなというところだったのでありがたくお受けすることにして、おじさんと一緒にスナックに入った。
ここのママさんもすごく色っぽくて、でも田舎のお姉さんって感じですごくそそられる。
そしてそのママにメロメロになってるおじさん。
なんかいいなぁとほのぼのしながらみんなで乾杯した。
「いやぁ……いい!!金ちゃん最高だよぉ!!最高だあああ…………」
一緒にカラオケを歌うとボロボロ泣きだしたおじさん。
それを笑顔でなだめるママ。
この泣き上戸のハンサムなおじさま、実は福島テレビの支社長さんだった。
「俺なんかチンカスなんだよおお!!チンカス!!金ちゃんは自由で歌うまくていいなぁ!!」
「イヤーん、若い男の子っていいわねぇ~。」
もう、いわき楽しすぎる^_^
今日のあがりは平日だってのに3時間で28000円。
原発景気、いまだ衰えず!!