2015年10月2日(金曜日)
【山形県】 酒田市
~ 【秋田県】 横手市
よっしゃ気持ちいいいい!!!!!
てか寒いいいいいいいいいい!!!!!
なんなの?!なんでこんな寒いの!?
東北なの!?あ、東北か。
秋田マジでウケるくらい寒い。
道路の気温表示見たら8℃って書いてる。
へー、そうなんだー、って8℃!!??
またまたぁ、8℃なわけないやんー、まだ10月になったばっかだよ?
今8℃だったらなに?2月とかマイナス100℃くらいになるの?
普通に宮崎の冬です、秋田。
僕カーディガンしか持ってないんすけど?
でも日本海の荒々しい姿はとても美しい。
今日は由利本荘から山に入って北上に抜ける予定。
日曜日に北上市でライブがあるので、早めに入って北上で路上をやろうかなという計画だ。
いやー、のんびりドライブ気持ちいいなぁーと走っていると、しばらくして山の中に小さな町が現れる。
横手市だ。
ここを越えたらあとは北上市まで一本。
でも、なんとなーくちょっと横手の町も見てみようかなと思った。
前回来てからもうかれこれ10年は来ていないはず。
気分的には新しい町だ。
大きな通りから一本入った路地になかなか味のある飲み屋街が伸びていた。
へー、こりゃあいい雰囲気。
ずっと前に横手に来た時に路上をやったか覚えていない。
でも覚えてないってことはやってないんだろうな。
昔は路上の場所探しも下手くそだった。
飲み屋街ってだいたいどこの町でも隠れるようにあるのでまずそれを見つけられなかったり、演奏を開始したら民家に怒られたり、警察に怒られたり、テキ屋さんに怒られたり、ヤクザさんに怒鳴られたり。
路上の場所探しはマジで技術って言ってもいいレベルの大事なもの。
それで稼ぎは大幅に変わる。
不思議なもんで、同じ通りでやってて全く稼げなかったのに5メートル横に移動したらめちゃ稼げる、なんてこともある。
借景というのも重要だ。
今までずっと路上でやってきて、自分が活きる場所ってのはそれなりに分かってるつもり。
そんな感覚が言っている。
この横手の飲み屋街はイケる。
別に今日北上市に行かないといけないわけじゃない。
フラッと通りかかった町に足を止めて歌う。
たまらない自由を感じるな。
さてさて、横手に立ち止まったのにはもうひとつ理由が。
ピンときた方はなかなかのグルメ。
そう、横手市は日本三大焼きそばの町。
静岡市の富士宮市、
群馬県の太田市、
そして秋田県の横手市。
他にも焼きそばの町はたっくさんあるけど、この3つが日本を代表する焼きそばの町です。
僕ね、焼きそばが死ぬほど好きなんです。
お母さんの作る焼きそばが大好きで、いつも焼きそば作ってーとリクエストしていました。
そんな僕なので、焼きそば屋さんとか、お好み焼き屋さんとかに行くといつも焼きそばを食べるんてすけど、どうしてお店の焼きそばってあんまり美味しくないんですかね?
祭りの屋台の焼きそばとか、作ってる人に、お前自分で作ってる焼きそば食ったことあんのか?って言いたくなるレベルです。
はっきり言ってまだお母さんの焼きそばを超える焼きそばには出会っていません。
マザコン?いやいや、家族が好きなだけです。
よっしゃー、それじゃあ横手焼きそば。
ブチかましてもらおうか。
俺を悶絶させてみろ。
ネットで調べると、なにやら毎年市内にたくさんある焼きそば屋さんで競い合って四天王を決めているらしく、四天王に選ばれれば名実共に横手を代表するお店となるとのこと。
そういうことなら四天王のひとつに行ってみようじゃないか。
やってきたのはここ。
安楽食堂。
横手の職安のすぐ横にあるんだけど、裏通りなので発見しづらいこのお店。
ここが横手焼きそば四天王の一角か。
なかなかの風格漂わせてやがる。
相手にとって不足なし……だぜ。
意を決して暖簾をくぐると、どこにでもある昔ながらの食堂の風景。
テーブル席に座ると、隅に置かれたテレビで韓流ドラマをやっているのが見えた。
韓国人の美男美女が甘い恋愛ドラマを繰り広げている。
店の中に韓国語が流れる。
すると店主であろうおじちゃんがお水を持ってきてくれた。
「いらっしゃい。オメナサハタカヤタナカナタアアニョハセヨ。」
あれ?……おかしいな。テレビの声が混ざってるのかな。
ニコニコしながら話しかけてくるおじちゃん。
「けねばオラニタナカヤマタナカヤマカムサハムニダ。」
ほぼハングル(´Д` )
秋田弁、何言ってるか分からなさすぎる(´Д` )
秋田の方言、ハンパじゃねぇ…………
なんとか解読すると、うちの店のことどうやって知ったの?ということみたい。
インターネットで評判でしたからーと答えると、あーワシらはインターネットとかわかんねぇから見たことねぇんだーって言っていた。
マジでネットの世界とは無縁で生きてるんだろうな。
それにすごく嬉しくなった。きっとおじちゃんとおばちゃんの作る焼きそばは時代に媚びない昔からの素朴な味なんだろうな。
うー!楽しみ!!
それじゃあいただきまーーーーす!!!!
マッジうめぇ、焼肉ライス。
これマッジうめぇ。
なにこの甘辛いタレが絡んだ濃厚な味。ご飯が死ぬほどススム。
美味すぎて少食の俺がオカワリしそうになった。
最近食べたご飯でこんなに感動したのあったかなってくらいマッジヤベェ。
しかもこれでなんと500円。
愛。愛が芽生えた。
大大大満足でおじちゃんおばちゃんにご馳走さまですー!と言って店を出た。
あー、美味しかった。
さて、夜になって飲み屋街にやってきましたよ。え?焼きそば?そんなんどうだっていいじゃないですか。
予想していた通り、横手の飲み屋街はささやかながらたくさんのネオンが密集したローカル感溢れる盛り場に変身していた。
よっしゃ、気合い入れて歌うぞーってマジで寒すぎるんですけど。
なんなの?なにこれ?真冬?カマクラとか作っちゃう気?
あ、横手市は全国有数のカマクラの町ですね。
素敵っす。
おらー!!体震えるけど気合い!!!!
めっちゃ楽しい。
もうすっごい楽しい。
ギター出して準備してる段階から、お!ここでうだうのが?!って人々が反応してきてくれる。
演奏を開始すると、通る人みんなが足を止めてくれ、歌を聴いて話しかけてきてくれる。
うわー、横手めっちゃいいじゃん。
まぁ、あれですけどね。話しかけてもらっても何言ってるかほとんどわかんないんですけどね。
え?え!?って何回も聞き返してしまう。
申し訳ないんだけど、そこそこ外国レベル。
するとそこに1人のオッチャンが歩いてきた。
何かワーワー言っている。
な、なんだよ、酔っ払ってて俺の歌が気に入らなくて文句つけてきてるような口調だ。
マジかよ、絡まれるのとか嫌だよー。
「メナカタナサナユチアサハユニチマヒワカッテクダサイカナマナカハ!!!!」
あ、あれ?なんか今混ざってたような………?
「ヘーバリナマカネハマ分かってくださいサナマアケ!!!!」
分かってください?………あ!因幡あきらの分かってくださいをリクエストしてんのか!?
わかんねぇよ!!!
そこだけ丁寧て!!
オッチャンに分かってくださいってお願いされても分からないものは分からないんだけど、歌ってみるとニコニコ上機嫌になって千円を置いて歩いていく。
みんなすごくいい人たちばかりだった。
0時前になりそろそろやめようかなというところで別のオッチャンに声をかけてもらい、スナックに連れて行ってもらい、ここでもまた何言ってるか分かんなくて愛想笑い全開で頑張って一曲歌った。
いやー、日本もディープだわ。
やっぱり横手に立ち止まってよかった。