僕には音楽の師匠がいます。
音楽だけでなく人生の師匠とも言える人です。
高校生の時にタバコで謹慎になり、学校と家の往復だけの毎日を送っている時、嫌になって地元の駅で電車を降りず、そのまま宮崎市まで行き、あてもなくブラブラしていました。
ちっくしょー、ともやもやしながら歩いている時に街の中にウェスタンショップを見つけました。
何の気なしにふらっと入ってみると、そこにはたくさんのウェスタンの服やゴツいアクセサリーが並んでおり、イカしたカントリーソングが流れていました。
お店の中で皮をトントン叩きながら財布なんかを作っていた大柄な男の人に、僕カントリーミュージック好きなんですと話しかけました。
実際はバーズとかジェイムステイラーとかしか聞いてなかったですが、当時の僕にはあれが精一杯のカントリーでした。
お前その辺はカントリーとは言わねぇぞ?フォークロックっていうんだよ、と教えてくれた大柄な男の人。
それがテディーさんでした。
音楽に溢れており、カントリーというワイルドなお店、そして少し口は乱暴だけど優しいそのテディーさんのお店に入り浸るようになるのに時間はかからず、それから休みのたびに遊びに行くようになりました。
ウィリーネルソン、クリスクリストファーソン、ガースブルックス、ハンクウィリアムスというカントリーの巨匠はもちろん、ありとあらゆる音楽ジャンルに精通しているテディーさんのお話はあまりにも刺激的で、休みのたびに電車に乗って宮崎市まで行っていました。
そんなテディーさんはシンガーソングライターで、初めてライブを見に行った時の衝撃は今もはっきりと覚えている。
スピードウェイというバンドをやっていたテディーさん。
トラディショナルなカントリーナンバーをロックンロールにアレンジしたノリノリのステージでライブハウスは大盛り上がり。
マクドナルドも食べたことなかった日向の田舎からやってきた高校生の僕には当時まだライブハウスなんて行ったこともない。
宮崎という都会のライブハウスで色とりどりの照明を浴びて歌うバンド、それは東京やニューヨークのような世界の中心の一大エンターテイメントだった。
しびれ上がった僕は、それからずっとずっとギターを弾き、曲を作ってあんなライブをするんだと憧れ続けた。
高校を卒業し、色んなところに歌いに行くようになり、日本一周に出て、今まで自分がどれだけ狭い場所で音楽をやっていたのかを知り、同時にテディーさんはずっとこんな広い世界でバリバリライブしてきた人なんだなと思った。
そうして日本を周り、色んなミュージシャンたちと交流し、自分なりの音楽を追求する中で、俺もそこそこの歌い手になってきたような実感を持っていた。
でも宮崎に帰ってテディーさんのところに行くたびに、テディーさんはいつも俺に指導をしてくれた。
それが本当にやりたい音楽なのか?お前の武器はそこじゃないだろ?
時に厳しい言葉をかけてくるテディーさんに、俺にだって俺のやり方があるんだ、と反発した時期もあった。
絶対に間違っていないと、人と違う歌、オリジナルを求めて追求した。
世界一周が終わり今確実に思うのは、あの日テディーさんが言っていた言葉が全部正しかったということ。
別にテディーさんの言葉を意識していたわけではなく、世界で毎日歌い続け、たくさんの人の笑顔や優しさに触れる中で、自然とやりたい音楽に変化が出ていった。
そして変化した先が、まさにテディーさんがアドバイスしてくれた通りだった。
憧れ続けたテディーさんが、18年間過ごした宮崎を離れて東京に行くことになった。
テディーさんは皮職人。
財布やバッグ、ベルト、ケースなどなど、オーダーメイドであらゆるものを作る。
俺もギターストラップやカメラケース、そして世界一周で使ったパスポートケースなどたくさんのものを作ってもらった。
めちゃカッコいい一点物のレザー小物。
そのお店を東京でやることになったのだ。
先日、テディーさんの送別会があり、宮崎の音楽業界、テレビ関係の人がたくさん集まった。
県内のミュージシャンのライブで大盛り上がりになり、俺も歌わせてもらった。
曲の途中でテディーさんがステージに出てきてくれ、一緒に歌った。
師弟コンビで歌えたことがとても嬉しかった。
そして最後にテディーさんのライブも。
結婚して子供ができてからは音楽から遠ざかっていたテディーさん。
しかしスピードウェイの歴代のメンバーが集結するというすごい状況になったにも関わらず、テディーさんのバンマスとしてのステージングは今も健在だった。
見事なリードでグイグイバンドを引っ張り、そしてメンバーもキメも入りも承知した息のあった演奏。
会場はみんな立ち上がって踊り出し、歓声が飛び交い、最高に盛り上がった。
そして、この最高のライブがもう宮崎で見られないのかと思うと残念で仕方なかった。
相変わらず手の届かないところにいる師匠を今も追いかけている。
テディーさんに、最高のライブだったよ、って言ってもらえるようなライブを目指してこれからも頑張ろう。
あのブルースエードシューズ!!!!忘れない!!
テディーさん死んだわけじゃないけど!!!!
◆日程:11月14日(金)
19:00-22:00 (フリードリンク・フリーフーズ:途中入場・退場自由)
◆参加費:[前売り]一般6,000円、学生4,000円、12歳以下2,000円、5歳以下・無料
[当日]一般6,500円、学生4,500円、12歳以下2,500円、5歳以下・無料
◆場所:トラベルカフェ飯田橋 (「飯田橋駅」東口から、徒歩約3分)
千代田区飯田橋3-5-1 東京区政会館1F
http://www.travelcafe.co.jp/shop/iidabashi/
ライブの詳細です
★11月15日(土曜) 東京 三軒茶屋
【バー 四軒茶屋】
19時オープン
20時スタート
2500円(ワンドリンク付き)
お問い合わせ 四軒茶屋ホームページ★11月16日(日曜) 東京 三軒茶屋
【バー 四軒茶屋】
18時オープン
18時半スタート
2500円(ワンドリンク付き)
お問い合わせ 四軒茶屋ホームページ★11月22日(土曜) 大阪 羽曳野市
【パティスリーフラワー 羽曳の里店】
18時オープン
19時スタート
3000円(ブュッフェ、ワンドリンク付き)
お問い合わせ パティスリーフラワーのホームページご予約電話番号 072-957-4412